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2010.08.14

明日は終戦記念日ですが・・・


卓上野球機構の紙の会誌「エンドラン」第12号(2001年2月発行)の巻頭言から再録です。

この文章は、たしか

「大下弘 虹の生涯」(辺見じゅん 著)

を読んだあとに書いたのだと思います。

もう10年近く前になるんですね。



「いまや歴史に生きるときがきた」

ビルマへ侵攻するにあたり、英国のウィンゲード兵団長は言った。

君たちは、いままで市井の名もなき人であったが、この作戦に参加することで、歴史をつくることになるのだ、というほどの意味であろうが、なるほど、これは士気を高めるに効果的な言葉である。

昔、夏になると終戦特別番組というのが必ずあって、神宮外苑での雨中の学徒出陣式を記録した古いフィルムが、しばしば放映された。

亡父は、それを見ると必ず「おれは、あの中にいたんだよ」と、言った。見ると、少し照れたような、怒ったような、そんな顔をしているのが常だった。

自分が歴史に生きた瞬間だと、振り返ってそう思ったのかもしれない。

なぜ、こんな話を急に書くかといえば、戦後プロ野球の一時代を築いた大下弘が、やはり、あのぬかるんだ神宮にいたと知ったからだ。

父と大下は人生のほんの一瞬を、交差させていたわけだ。

航空隊のパイロットを志願して北海道で終戦を迎えた大下と同様、父も各務原の陸軍航空隊で玉音放送を聞いたそうだ。(父は極度の近視であったため、パイロットではなく主計だった。)

その後、母校の明治大学に戻った大下は、再興なったばかりのプロ野球に進み、球界を代表する大打者となった。

大下が引退する頃、長嶋があらわれ、プロ野球人気は頂点に達する。

大下は球史に名を残したが、しかし、「歴史を生きた」という意味では、雨の神宮にまさるものはなかったのではあるまいか。

人間は、誰でも一生のうち一度くらいは「歴史に生きる」ということがあるのだろうか?

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