« アナログ・シミュレーション・ゲームのハードル | トップページ | BALL PARK BASEBALL (ボール・パーク・ベースボール) つづき »

2010.06.30

世界の卓上野球にリンクを追加しました

実に久しぶりに、世界の卓上野球にリンクを追加しました。
Ball Park Baseball という、卓上野球ゲームのサイトです。

このサイトですが、BILL JAMES とTABLE BASEBALL かなんかで検索していたら行き当たりました。今でも、販売を行っている野球ゲームで1901年から今日までの選手カードを購入できます。BILL JAMESでこのサイトがヒットしたのは、なんでもこのゲームは、まだ有名になる前のビル・ジェイムズもプレイして、ゲームシステムにいろいろと意見をもらったから(デザイナー談)だそうです。


Ball Park Baseballは、1950年代末にカンザス州のCharles Sidman氏により原型が開発されました。こうした個人制作の野球ゲームはアメリカにはたくさんあるようなのですが、なぜ、このゲームに引っ掛かったかといいますと、サイトに掲載された選手カードを見て、おや、と思ったからです。

ゲームは、ダイスで1から50までの乱数を得て、1-25なら打者カードを、26-50なら投手カードを参照するというシステムを採用しています。ダイスの目により打者カードか投手カードのいずれかで打席の結果を求めるという構造は、私はSTRAT-O-MATICがその始祖であると長らく思っておりました。(SOMでは、6面の白ダイス1個と赤ダイス2個を振り、白ダイスの目が1-3なら打者カードの、4-6なら投手カードの該当する列を参照します。次に赤ダイス2個を合計した値の行を探します。そこに打席の結果が記されています。)

SOMの発売は1961年です。それに先駆けて、このシステムが開発されていたというなら、これはすごいことになります。

しかし、Ball Park Baseballは開発当初からいろいろな改良を加えてきた旨の記述もあり、また、商業ベースでの販売はSOMに遅れること10年、1971年のことですから、SOMより先にこのシステムを採用したかのか、改良の結果、似たような結果になったのかを検証する術は(今の私には)ありません。

日本でそれなりに名の知られている卓上野球ゲームにPTP(Pursue The Pennant:パースー・ザ・ペナント)があります。SOMを知らなくてもPTPを知っているという人がおられるのは、これはTACTICS誌1989年4月号に短いゲームレビューが載ったことが大きいのではないかと、勝手に思っています。ミルウォーキーのMike Cieslinskiが1985年に発表したこのゲームは、米国ではチャートの参照回数が多すぎるなどもあり、既存のAPBAやSOMの市場を奪うには到らなかったようです。で、このPTPですけれど、打撃解決の基本構造は、SOMのシステムと同様です。

PTPは10面ダイス3個で0-999の乱数を得ます。結果が1-499なら打者カードを、500-999なら投手カードを参照して打席の結果を求めます。PTPの特筆すべき新機軸は、球場効果で、球場によって打撃の結果が異なるケースがあるところでした。

さて、Ball Park Baseballの打者カード、投手カードいずれも結果の列が対左・対右にわかれています。これはSOMもPTPも同様ですが、もともと打撃の結果を左右でわけた商業ベースの最初のゲームは(たぶん)1971年に発表されたSports Illustrated Baseballと思われます。(違っていたら、どなたかご教示ください。)

SOMはこの時点では左右が分かれていませんでしたが、翌年にはしっかり左右の結果を分けています。

ゲームシステムは、こうして進化してゆくのですね。

Ball Park Baseballが面白いのは、対左・右の列がさらに「走者なし」と「走者あり」の結果に分かれていることですね。(これで統計的正確性が増した、とデザイナー氏は述べています。)

Sidman氏は1971年に会社を興してBall Park Baseballの販売に乗り出しますが、本業はあくまで大学教授ということで、実質的なオペレーションは知人に任せていました。しかし引退後は自ら株を買い戻して、野球ゲームビジネスを行っているようです。同氏はカンザス大学の教授を退いた後、現在はフロリダに暮らしている模様です。

|

« アナログ・シミュレーション・ゲームのハードル | トップページ | BALL PARK BASEBALL (ボール・パーク・ベースボール) つづき »

世界の卓上野球」カテゴリの記事

コメント

Ball Park Baseball所有しています。画像を御覧下さい。
http://twitpic.com/218hv3
残念ながら一度もプレイしたことがありませんが。
ちなみにSherco Baseballを作ったSteve何とかさんも大学教授ですね。
http://www.shercogames.com/pages/about-the-inventor.php

投稿: 幕張本郷猛 | 2010.06.30 10:38 午後

幕張本郷猛さん、こんばんは。
さすがです。まさか、日本で所有されている方がいらっしゃるとは驚きです。

写真を拝見しますと、カードにはCopyrights が、1971年と1979年とありますが、このとき既に球場別のチャートが存在していたのでしょうか?

投稿: 事務局長 | 2010.07.01 11:28 午後

1971の球場別チャートはあります。ランナー状況別になっています。

ちなみに今気付きましたが、何枚かのチャートは古いコピー用紙なので印刷が消えかかっています。ま、まずい…。

ところでNational Pastimeなんかはマニア?が復刻版を出しているみたいで、たまにオークションで出ます。
今でも入手できるサイコロ野球ゲームのサイトが三つほどありますが、url消えちゃったな。


投稿: 幕張本郷猛 | 2010.07.02 06:33 午前

幕張本郷猛さん

球場効果を最初に取り入れたのはPTPではなかったということですね。たいへん勉強になりました。

ありがとうございます。

NATIONAL PASTIME の復刻版というのもおどろきました。
少し調べてみます。

投稿: 事務局長 | 2010.07.04 10:05 午前

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« アナログ・シミュレーション・ゲームのハードル | トップページ | BALL PARK BASEBALL (ボール・パーク・ベースボール) つづき »