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2010.05.18

完全試合の真実

ところで、完全試合って卓上野球史の中で何回ぐらいあったんでしょうか?

ノーヒットノーランは今でも何年かに1度くらいはあるのですけれど。

現在の機構は1998年スタートですが、実は前身があります。(その話は、長くなるので、また別の機会に)

これは、その頃を回想したもので、卓上野球機構会誌・エンドラン第7号に掲載されたものです。

記録に残る唯一の完全試合です。

執筆者不明なんですが、この文体は“ま”監督?


↓これより本文↓

それは確か今から6年前、1993年のデータであるから、かなり過去の話で恐縮なのだが、思い出せる限り紹介させていただく。

その年のセ・リーグは(-3)級の投手を2人ずつ擁する中日とヤクルトが抜けて強く、優勝候補もほぼその2チームに絞られていた。(巨人は?などと聞いてはいけない。)

その年は私、阪神の監督をやっていたのだが、これが弱くて弱くて投手も打線も絶不調。ことごとく勝てず、楽しみといえば期待の若手、新庄のホームランのみというありさま。

ペナント的にはすっかり蚊帳の外でつまらないのである。

競馬でたとえれば、自分の買った馬がただ一度の見せ場もなく沈み、直線で一度も叫べない状態なのだ。ふ~ん。熱い首位争いをしている中日・OT監督とヤクルトMM監督が心からうらやましいのである。

私、阪神を選んだクセして、ずうずうしい考えなのである。

そんなシーズンのとある月曜日、その日の夜も四谷に出撃となった。

セ界がうらやむ2チーム、ヤクルト×中日の試合のスコアを私がつけていたのだが・・・。1回、1番落合!のオレ流先頭打者ホームランで中日がまず1点を先制した。

しかしそれ以降はヤクルト先発の宮本(-3)の前に後が続かず沈黙を繰り返すのみ。一方、中日のエース今中(-3)は、この1点を守るべく奮闘、5回まで1人のランナーも出さない。流石は好投手同士の投げ合いといった雰囲気で1-0のまま試合は6回へ。

問題の場面、ヤクルト2死無走者で打者は9番宮本。

そこでわたし、見てしまったのである。

投球でピンピンを出してOT監督がうろたえたのを。ふ~ん。しかし何か様子がおかしい。MM監督がムッとしているのだ。なんと、あろうことか、宮本は打撃ランクA、すなわちOB:12なので、端っから出塁目がなかったのである!

おお、宮本のバカバカバカ!!

この一件でMM監督、すっかり意気消沈。げんなりムードがヤクルトベンチを支配してしまった。

最大の危機をこうして乗り越えた(?)今中は、その後も平然と抑え続ける。こういうときはバックもエースをもり立てるもので、終盤、長打性の大飛球をライト彦野が自らの身体と引き換えにフェンス激突、スーパーキャッチ!!

彦野のその後の安否のほどは今となっては定かではないが、ともかくこのワンアウトは大きな価値があった。いったんワイルド目を出して相手を喜ばせておいてこの仕打ちなのだから、まさにイジメ。

こうなるともう誰にも止められないのである。

そのままOT監督のミラクル投球ダイスの勢いは衰えることなく、とうとう9回、最後の打者をも打ち取って、先頭打者HRのスミ1のまま、なな、なんと、パーフェクト達成だあ!!

バッティングダイスを一度も振らせてもらえず敗れるとは、MM監督の心中いかばかりであろうか。

「何にも悪いことしてないのに~!」

という叫び声が聞こえたような気がする試合後であった。

こういう時、某監督ならば打開策としてセーフティバントの一つでもしたであろうか?

でもそれでパーフェクトされては恥ずかしさ2倍であるから、私には絶対できない。

話がちょっとそれたが、スコアラーをつとめた私、その場に立ち会えてとても幸運でした。ちょうど隣で試合をしていたハマのダンナからは、「何で試合中に教えてくれなかったのかぁ!」と大層怒られてしまったのだが、あの時は、せっかくの流れを変えてしまってはいけないと思い、まわりに声をかけるのをやめてしまったのである。

今思えば、なんともったいない!
まことにすみませんでした。

さて、このパーフェクトで運を使い果たしたか、中日はこのシーズン2位に甘んじてしまう。前年と合わせ、2年間で149勝もしながら2年連続2位というトホホな結果になったのである。 そして、セ・リーグ優勝はこの日、コテンパンにされたはずのヤクルトがかっさらっていったのだ。まったくもってペナントレースは難しいのである。

今月の教訓:優勝という大魚を逃しても一時の快楽、パーフェクト!!やってみてぇ。…誰かこのバカを止めてくれ!


※しかし最近、昔の会誌の再録が多くて、過去の遺産を食い潰してる気もしますが、まあ、残しておかないと記録も記憶も散逸してしまいますし、いっか。

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コメント

なにしろ当事者以外(ヤクルト監督も気づいていなかったという説もある)、誰も注目していなかったので、思い出せる人は少ないと思います。

投稿: コミッショナー | 2010.05.18 11:25 午後

>執筆者不明なんですが、この文体は“ま”監督?

はい、私です。
試合終了後、ダンナに肩をつかまれ抗議を受けたことを覚えております(笑)

この文体は、藤代三郎先生の競馬エッセイに影響を受け・・・インスパイアされ・・・リスペクトし・・・パク・・・いや、「似てない物まね」してますね(笑)

投稿: ま | 2010.05.19 07:29 午後

>なにしろ当事者以外(ヤクルト監督も気づいていなかったという説もある)

ああ、ありますですね、これは。
やっぱり監督はまず勝ち負けがまず最大の関心事ですものね。

私も何年か前に藤井でノーヒットノーランをやったときも、指摘するまで気がつかなかったです。(しかも自分でスコアまでつけていた!という間抜けさでした・・・)

投稿: 事務局長 | 2010.05.19 07:48 午後

>はい、私です。

ああ、やはり。

完全試合進行中のときは、そっとしておくのが正解かも・・・。

わたくし、藤代三郎先生の文章は読んだことがないので、わかりませんでした、リスペクト。(笑)

投稿: 事務局長 | 2010.05.19 07:51 午後

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