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2004.11.28

卓上野球機構の「おもしろさ」


「おもしろい」と感じるゲームと、そうでないゲームが世の中に存在しますね。主観によって、多少ばらつきはあるだろうけれど、総じて、「つまらない」ものはつまらない。『ツキの法則』(谷岡一郎著 PHP文庫 1997年)という本に、ゲームを「おもしろい」と感じさせる要素についての記述があるので、これをベースに、卓上野球がなぜおもしろいかを、考えてみます。

同書によれば、「おもしろさにおいて特に重要な要素」は、以下の5つだそうです。

1.スピード(アクション)
2.ドキドキ感の持続性
3.爆発力
4.期待値・勝利期待度
5.攻略感(実力必要性)


ざっと眺めてみると、「なるほど」と思う。卓上野球に、どれも当てはまるのではなかろうか。ひとつづつ、検証してみます。

◆スピード(アクション)

「スピードの要素とは、勝敗の決定が例えば1時間に何回なされるか、ということである。アクションは、多ければ多いほどギャンブルとしておもしろいとみなされているが、早過ぎると面白みの減少するものもある」(前掲書)

卓上野球は、点を取り合い両軍が投手を多数繰り出すような展開で延長戦12回を戦っても1試合がせいぜい1時間。普通の試合なら30分。投手戦なら20分でかたがつきます。そういう意味で、スピードの要素は十分ではないかと思います。これは、(他の多くの卓上野球ゲームがそうであるとおり)打席単位での結果解決を行うシステムを採用しているからです。1球ずつ投げるような野球ゲームだと、1試合に3~4時間もかかったりして、一度プレイすると、ぐったりしてしまったりします。実際のプロ野球でも試合時間が長くなると、観客も選手もダレ気味になるでしょう?ちなみに、『ツキの法則』の著者がスピード感あるギャンブルとしているのは、パチンコ、スロット、ルーレットなどです。麻雀は中くらいに位置付けられるそうです。

◆ドキドキ感の持続性

「勝負が決定するときのハラハラ・ドキドキする時間の長さである。宝くじなどは、当選番号を見ればそれで終りだが、スポーツや麻雀は、試合やゲームが続く限り、ハラハラ・ドキドキが持続する」(前掲書)

卓上野球ゲームは、実際の野球と同様、降雨コールドなどの例外を除けば、九回までプレイします。
この間、原則として、(実際の野球と同様)勝負の行方はわからず、ゆえにハラハラ・ドキドキの持続性は高いのです。もちろん、序盤にワンサイドとなり、どうみても勝敗をひっくり返すのは無理、という試合もありますが、それとて、ダイスの目と采配次第では、変わる可能性は皆無ではないのです。
ゲームセットになるまで、ハラハラ・ドキドキは持続するわけです。

◆爆発力

「爆発力は、賭け金が何倍に増えるか、ということである。たとえば、宝くじの「当たり」額は、平均的には低いが、その潜在的な可能性は、他のギャンブルに比すると飛躍的に大きいのだ。」(前掲書)

野球ゲームでは、お金は賭けません。そうして見ると、爆発力は低いのかもしれない。でも、「完全試合」とか「ノーヒットノーラン」とか、「サイクルヒット」とか、こういうのは、別の意味で「爆発」だと思います。滅多におこらない事象を自分の手で成し遂げたっていう。特に、こうした記録面での《爆発》は、本人の采配には何の関係もないから、むしろ爆発したなって、印象は深くなります。
あるいは、この《爆発力》を《投機性》って言葉に置きかえると、面白いかもしれません。ヒットレンジ(打者のヒットでの出塁能力をモデル化したパラメータで、ゲームでは選手の打撃能力の基礎となる)は低いけど、当たればホームランなんていう、いわゆる《ボンバー打者》の「九回裏1点ビハインド二死満塁」なんて場面での起用は、投機性がものすごく高い。でも、これで満塁ホームランなんかが出た日には、もう、実に楽しいわけです。はい。つまり、卓上野球機構にも、局面、局面ではゲームとしての爆発力があるわけです。

◆期待値・勝利期待度

「まず、主観的期待値と客観的期待値である。前者が、『2着じゃ、ドベと同じ。一発大逆転ねらい』という思想であるとするなら、後者は『少しでもいいからとにかく勝ちたい』という考え方である」(前掲書)


人間は心理学的に見て「明らかに損をする行動を選択することがよくある」そうなのである。ゲームの面白さの尺度は、後者の基準で図られます。つまり、プレイヤーに、客観的な勝利の期待度が、あるていど平等に割り当てられている必要がある。また、勝利する確率が一定以上、高くなければいけない。これがなければ、ゲームとしての「おもしろさ」は低くなるわけです。麻雀は明らかに期待度は等しいわけですが、卓上野球機構ではそうもいきません。だってチームの戦力差がいかんともし難い場合もあるわけです。しかし、それでも弱いチームをプレイするのは、前者の思想がはいりこむからと考えられます。

「このチームで優勝は無理。でもAクラスいりして、自分の実力というものを見せつけてやる!」

というような気持ちが芽生えさせる人が出てくるわけです。これは、心理学的にきちんと証明された、人間存在の性なのでしょう。この哀しき性にも、見事に応えてくれるのが卓上野球機構と言っては、ちょっと言いすぎでしょうか。

◆攻略感(実力必要性)

「多くのギャンブラーにとって、他人より上手くプレイすることで勝利に近づける、ということはより挑戦したくなる要素なのである。実際には「攻略できた」「うまくプレイした」というのは、表面上の幻想にしかすぎない可能性もあるが、それでもギャンブラーはツキや流れをつかもうと努力し、時として大きな満足感を得ることができるのである。」(前掲書)

「あいつはツキのみで勝っている」
「采配の妙」
「私の卓上野球理論」

プレイヤーは自分の采配、選手起用の論理性、あるいは、勝機を見るに敏な、いわゆるひとつの「野性のカン?」を信じているようです。

勝利は

「守りを重視したラインナップ」
「巧みな継投」
「代走の成功」
「代打起用」
「攻撃型布陣」
「確率の重視」

など、自分の知恵の産物であると思いたくなります。

こうした采配・技巧が奏功して勝利すると、そのときに得られる満足感には言い知れないものがあるます。

ダイスの目次第だけでの勝ち負けでないのは確かなゲームです。
もっとも、ダメなとき(統計上の揺らぎが発生しているとき)は、何をやってもダメなのですが・・・・。

さらに「ツキの法則」によれば、副次的な要素として、次の6つがあるということです。

これら要素は、卓上野球機構では、こんな風に表現される。

ルールの簡単さ:野球を知っていれば、すぐに習得できる
自由な感覚度:選手起用や采配に、あまり縛りがない
美しさ/上品さ:ピンゾロでホームランの美しさはどうだ!まして完全試合は・・・・・。
主人公感覚:オレが監督だ。選手は(カード=データなので)逆らわない
オプションの多様性:チームのデータは毎年更新される
ドキドキ感の強さ:うわあ、なんでこんなサイの目が出るんだ!

そんなわけで卓上野球は、「ゲームとしてのおもしろさ」を、相当に持っているといえないでしょうか?

だからこそ、このサークルも10年以上続いているのではないでしょうか・・・。

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01.ゲーム「卓上野球機構」について」カテゴリの記事

コメント

「卓上野球機構」で検索しても、ここのサイトは出ませんね。日本プロ野球機構の卓上カレンダーとか、表示されます。

投稿: FOREST | 2004.12.05 12:09 午前

 しかし、30代打者がごろごろしている打線(例えば巨人)に対して、そうではない打線と、+1投手を先発させる場合(例えばオリックス)、やはり最初から意気消沈してしまいますな。

投稿: FOREST | 2004.12.07 02:34 午後

ああ、まあ、そうですね。
あえて露出を避けていたりしますが・・・・。

投稿: 事務局長 | 2004.12.09 09:27 午後

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